【映画】『僕のワンダフル・ライフ』レビュー

感性を高める時間

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この映画について

飼い犬が一層愛おしくなる確率 100%

涙腺ダム決壊 100%

デニス・クエイドと大塚明夫の親和性 100%

バカ犬度  ★★★★★

胸糞父親度 ★★★★☆

猫の不憫度 ★★★★★

Q.犬は死にますか?

A.めっちゃ死ぬ

感想

この映画で観て泣かないやつ、涙腺をどっかに落としてきてるから交番に届け出だしたほうがいい。もしくはコンビニで買っておいで。

綺羅びやかな光から天使たちが産声を上げる。懸命に生きる小麦色の子犬は高木渉の声で喋った。バカ犬確定である。

イーサンの母方の祖父母の家は田舎にある。広大な土地には緑がどこまでも拡がり、爽やかな風が吹き抜けている。祖父母は温厚で、イーサンとベイリーへの対応も優しい。そして母親もそんな祖父母の娘として育ったからだろう、都会の洗練された気品のある空気を纏いながらも、イーサンにかける愛情は太陽のように温かい。

それに比べて父親はなんだ。雨水に晒され年々腐っていく木造の倉庫のようだ。己の成功しか考えず、それを邪魔する者は息子であっても犬であっても気に入らない。時折見せる父親らしい優しい笑顔では精算できないレベルのクソである。

イーサンは青年になると、抱きつきたくてたまらない肉付きの良い逞しい体になる。顔もハンサムだ。爽やかな笑顔はとてもキュート。

恋をした相手も好印象な女の子だ。彼女はベイリーをとても可愛がり、荒ぶったイーサンを宥めるのもお手の物。

途中で胸糞悪い友人が現れ、イーサンの家が燃やされてしまうが、ベイリーと警察の手によりお縄についたので安心してほしい。私も心の中で恥ずかし固めをしておいた。イーサンの父親も一緒にね。

都会の家を失ったイーサンと母親は、母親の祖父母の家がある田舎で養生する。そして荒んだイーサンは恋人のハンナとも別れるのだが、広大な地を背負い、ブロンドヘアを風に遊ばれながら涙を流すハンナの姿は切なくて美しい。

さらにイーサンはベイリーとの別れも決断する。離れた農業大学に行くためだ。決してベイリーを捨てたわけではない。もし捨てたならイーサンも恥ずかし固めの刑である

イーサンと離れたベイリーは生きる気力を少しずつ失っていき、二度目の生を終える。

その後、シェパードに生まれ変わって警察犬になり、険しい顔をしたマリオの心を救う。マリオというのは名前ではない。髭がマリオっぽいという意味だ。そして配管工もしていない。警察官だ。ベイリーが犯人に撃たれた際に零れ落ちた一筋の涙は優しさに溢れていて美しかったので、私もお返しに二粒の涙を零した。

次のベイリーの転生先はコーギーである。人付き合いが得意でない女性の飼い犬になった。ついでに犬の飼い方も下手くそである。しかしながら、個人的にこの犬生が最も平穏だったと思う。

次の生でようやくベイリーはイーサンに辿り着く。それまでに少々クソッタレなエピーソードがあったが、例のごとく私が心の中で恥ずかし固めで懲らしめておいた。彼らも、もうしないと反省しているよ。私の心の中では。

さて、イーサンの話に戻ろうか。イーサンはオッサンになっていた。オッサンイーサン。オーサンだ。このオーサンのキャストはデニス・クエイドである。さらに吹き替え声優は大塚明夫。つまり、わかるかい?最高にセクシーってことさ。

ベイリーはイーサンとハンナの復縁に一役買うだけでなく、自分がベイリーであると証明することにも成功する。バカ犬だと思っていたのが申し訳ない。君はとても賢いバカ犬だ。

ラストを飾るのは、広大な緑の中を走る犬と、それを見守る老夫婦。田舎にはよく見られる光景かもしれない。けれど私たちはその一つの群れがどんな人生を歩んできたのか、どんな犬生を走ってきたのかを知らない。知ってから見れば、このよく見る風景の美しさが、生きることの素晴らしさが、ハッピーエンドが目に染みるはずだ。

※画像はイメージです。

DVD情報

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続編

『僕のワンダフル・ライフ』には続編の『僕のワンダフル・ジャーニー』があるよ。そっちも頭が痛くなるレベルの涙腺ダムぶっ壊れ映画だから、心して観てね。

私の感想は↓こちら。

【映画】『僕のワンダフル・ジャーニー』感想
Q.やっぱり今回も犬が死ぬんですか?A.めっちゃ死ぬこの記事には広告リンクが含まれます感想私の中のビーバーが激高している。涙腺というダムを、何度もこの映画によって決壊させられているからだ。『僕のワンダフルライフ』と『僕のワンダフルジャーニー...

原作

原作は2010年に発行されたW・ブルース・キャメロン著『A Dog’s Purpose』。

青木多香子訳の日本語版『野良犬トビーの愛すべき転生』は2012年に発行されている。

映画を観た後に原作を読むと、新しい発見があったり、深い理解にもつながるよ。


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