
自己啓発本として根強い人気を誇る小説シリーズの第一弾!
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書籍プロフィール
2007年8月29日発行
著者:水野敬也
シリーズ累計430万部を突破。(2025年現在)
2008年10月に小栗旬さん主演で単発ドラマ化。同じく2008年10月に水川あさみさん主演で連続ドラマ化している。
2008年・2014年に舞台化、2009年にはアニメ化&ゲーム化(ニンテンドーDSソフト)。
あらすじ
主人公はどこにでもいるような普通のサラリーマン。「とにかく成功したい」と思いながら自己啓発本を読み漁ったりするが、すぐに飽きてしまい具体的な行動には至っていなかった。そんな日々を過ごす男の前に、ゾウの姿をしたガネーシャと名乗る神が現れる。
ガネーシャは、夢を叶えたいなら自分が出す課題をこなすよう言い渡すが、その内容は「本当にこれをすれば夢が叶うのか?」と疑うような内容ばかり。
しかもガネーシャは主人公の食費を圧迫したり、無駄遣いしたりと我がまま放題。くだらない喧嘩もしょっちゅう。果たして男の夢は叶うのか──?
みどころ
実際に成功を納めた偉人たちの名言や行動がたくさん紹介されていて、とても参考になります。また、偉業の裏にある知られざる苦悩や努力も知ることができます。
成功したいという思いは強いけど、なにに成功したのかはわからない……そんな主人公に共感する人も多いと思います。彼が成長していく姿に、読んでいる人もわくわくするはず。
感想
この小説の大ヒットの陰には、著者である水野敬也さんによる、小説の枠を遥かに超える参考文献の量があると思いました。たった一言の台詞のために、とことん調べる姿勢に感服します。
そんな著者が書いているからこそ、ガネーシャの台詞に説得力が増すし、作品の没入感に繋がっているのです。
ガネーシャは主人公が夢を叶える前に消えてしまいますが、別れのシーンは涙が止まりません。エピローグで明かされた主人公のルーティーンにも泣かされました。小説でこんなに泣いたの、初めてかもしれません。
『夢をかなえるゾウ』と言えば忘れてはいけないのは、「ガネーシャの課題」。これは本当に人生が変わります。

本文を読むまでは、私も主人公と同じように「これが本当に夢をかなえるための課題になるのか?」と首を傾げていました。しかし読み進めていくうちに「ああ、あの課題がここに繋がってくるんだな」と感動しました。
課題とその内容だけならインターネットで探せばすぐに見つかります。でも主人公の試行錯誤と行動した結果を読まないと、課題のありがたみも効果も薄い気がします。
これはゲーム実況と似てるかもしれません。動画を見るだけの人は、やった気になってても、実際にプレイした人が得た経験までは分けてもらえませんから。
著者は本当に頭が良い人だと思います。それに笑いのセンスが素晴らしい。ガネーシャは度々くだらないシャレや自慢トークで笑わせようとしますが、全然面白くないんです(笑)
でも主人公のさりげないツッコミがすごく面白い。この、わざと滑らせる台詞と面白い台詞を書き分けられるところに、著者の才能を感じました。本当にに面白くない人は、面白いシーンも台詞も書けません。

無茶振りするガネーシャに対して、主人公からの扱いがだんだん悪くなってくるのが個人的に面白かった!
偉人たちの名台詞以外にも、神様事情も少し知ることができます。実は私、ガネーシャという神様がいることも、この小説で初めて知ったんです。
勉強になり、自己啓発にも繋がる本なのでオススメです。特に、お金持ちになりたいけど、何をすればいいのか分からない人にはぜひ読んでほしいです。



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