【映画】『僕のワンダフル・ジャーニー』感想

感性を高める時間

Q.やっぱり今回も犬が死ぬんですか?

A.めっちゃ死ぬ

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感想

私の中のビーバーが激高している。涙腺というダムを、何度もこの映画によって決壊させられているからだ。

『僕のワンダフルライフ』と『僕のワンダフルジャーニー』の大きな違いは、ベイリーが追いかける相手だ。前回はイーサンだったが、今回のハンナの孫であるCJという女の子になっている。

病気になってしまったベイリーは、イーサンによしよしされながら「CJを守ってやってくれ。」と託されて新しい犬生へ移っていく。私もデニス・クエイドに髪の毛ぐちゃぐちゃにされながらよしよしされたい。大塚明夫ボイスで耳元で優しく囁いてほしい。

ベイリーは運よく転生一発目でCJの飼い犬になれる。しかしCJの母親が腐ったブルーチーズみたいな人で良好な家族関係を築けなかった。もっと早く母親の腐った部分を取り除けていたら、彼女達の人生は変わっていただろう。

若くして母になり、生きがいである歌を取り上げられ、支えとなるはずの夫を失った彼女にとって、世界のすべてが敵だったのだ。最愛の娘ですら。

思春期になったCJの側には、トレントという誠実で優しくて将来有望な男がいた。しかしCJは靴底に貼り付いたガムみたいなクソ野郎と付き合いだしてしまう。

CJは夢を追うことをダサいと思うようになり、変なパーティーに連れて行かれたりした。しまいにはそのウルトラクソッタレ野郎により、ベイリーはこの世から無念のリタイアをさせられてしまうのだ。

次の生では一瞬だけCJに会えたものの、体が重くて追いかけることができなかった。そのまま世界からフェードアウトしてしまう。

ようやくもう一度CJの飼い犬になれたときのベイリーの姿は、犬生初めての小型犬だった。キャンキャンと吠えながら小さな体でチャカチャカ走る姿がとても愛らしい。

小さくなってもベイリーは、とても勇敢で賢いバカ犬だった。気に入らない同居人を、バカ犬のやり方で精神的に追い詰めたのだ。

そしてイーサンとハンナを結びつけたように、CJとトレントの心も結ぶのだが、このあたりはちょっと韓流ドラマのような流れになっている。

トレントはCJを、イーサンとハンナがいる田舎に連れて行ってあげるという「恩返し」をする。イーサンはジーサンになっていた。ヨボヨボになったイーサンにより、CJはこれまで関わってきた犬がベイリーだと知る。

その後、CJは母のグロリアと和解。トレントと結婚して子供を授かるが、ここで「めでたしめでたし」とはならない。

ジーサンになったイーサンが天に召されてしまうのだ。そしてベイリーもゆっくりと弱っていき、その命を終える。

田舎の美しい小麦色の海を走りながら、ベイリーはこれまでの犬の姿を遡っていく。虹がかかる橋を渡り、ベイリーは雲の上に辿りついた。そこにはジーサンではなくオッサン時代のイーサンが待っていた。「来たな、ボス・ドッグ!」と笑顔でベイリーを迎えて、ふたりで遊び始めるというラストシーンだ。

ベイリーが死ぬ度に現れた誕生の煌めきは、もう起こらない。ベイリーは旅を終えたのだ。彼の生きる理由は果たされた。小麦色の海で幸せそうに笑い合うふたりには、これ以上の幸せはないのだろう。あとはハンナを待つだけだ

こんなに切なくて美しいハッピーエンドを、私は他に知らない。何度観ても、その度に泣いてしまう。悲しくて、嬉しくて、幸せで。たとえ別れがつらいものだとしても、それは幸せに比例しているからだ。私はそう思いたい。

※画像はイメージ

DVD情報

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原作

原作は2012年発行、W・ブルース・キャメロン著の『A Dog’s Journey』。

2019年(映画公開と同じ年)に青木多香子訳により日本語版が出版されてるよ。

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前作『僕のワンダフル・ライフ』

前作を先に観ることを強くオススメしたい。ワンダフルライフありきのワンダフルジャーニーである。

前作の感想はこちら
【映画】『僕のワンダフル・ライフ』レビュー
この記事には広告リンクが含まれますこの映画について飼い犬が一層愛おしくなる確率 100%涙腺ダム決壊 100%デニス・クエイドと大塚明夫の親和性 100%バカ犬度  ★★★★★胸糞父親度 ★★★★☆猫の不憫度 ★★★★★Q.犬は死にますか?...

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